イベントレポート「夏の初めの野草観察会」
- 麻里 岡本
- 2023年6月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年6月2日
こんにちは。
5月25日、5月のイベント「夏の初めの野草観察会」を開催しました。
場所は肱川支所周辺です。
まずは肱川小学校の前の道を歩き、河原に生える木の実の観察を行いました。今の時期の河原にはおいしい初夏の木の実たちがなっています。

参加者さん「最近ビワ農家さんのお手伝いをしたのでビワってわかりました!」
ビワは中国原産で、暖地に野生化したものが生育しています。スーパーでは大きなビワの実が売られていますが、野生化したものはあまり大きな実をつけず、食べられるところも多くありません。食べたことがある参加者さんいわく、味もそんなにおいしくないとのことでした。

観察会での基本は「採らずに見る」ですが、クワは実に大きな特徴があるため、
一人一つだけ実を採ってじっくり観察しました。
クワはヤマグワとマグワの二種類あります。大洲の方から「食べてみて、美味しくて食感がなめらかなものがマグワ、甘みが弱くジャリジャリとした食感のものはヤマグワ」と教えていただいたので、そのまま食べても抵抗がない人だけ食べて確認してみました。
「おいしい!」
「食感もジャリジャリしてない」
ということだったので、このクワはマグワだろうという結論になりました。

クワの仲間で紙の材料になる木の実も見てみました。まん丸で毛むくじゃらな実で、個人的にはクワに通ずる見た目だなと思うのですが、参加者さんのリアクションは「全然似てない!!」でした。
じつはこの木、私だけではヒメコウゾなのかカジノキなのか、はたまたコウゾなのかわからなかったのですが、植物図鑑をお持ちの参加者さんが見比べてみたところカジノキではないか、ということでした。

下見の時には全く何の木かわからずお手上げだった木を全員で同定してみました。まずは植物の写真をスマホで撮って画像検索(このとき葉と花が両方入るように写したほうがいいと思います、という私なりのコツをお伝えしました)。カキノキダマシ、という名前が出てきました。確かに葉はカキによく似ています。
さらに元理科の先生だった方から、「チシャノキでは?肱川にはたくさんありますよ」と教えていただきました。後から調べてみたら、カキノキダマシはチシャノキの別名でした。そしてさらに支所職員さんから肱川町にチシャノキ(知者の木)という地名があることを教えていただきました。こんなに肱川のシンボリックな木を一年半以上見逃していたとは…
木の実の観察後は、下見のブログにも書いた自然の冷蔵庫へ行きました。昔は近所の人がスイカをここで冷やしたりしていたそうで、近づくだけでひんやりした空気が流れてきます。

この日の参加者さんには地質学専門の方がいらしており、肱川には鍾乳洞が多く、この風穴は鍾乳洞から冷たい空気が流れてきていることを教わりました。ほかにも参加者さんの中には砂浜の生物が専門の方、虫好きな方がいらっしゃって、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。

花粉観察に凝っているという参加者さんに
ユウゲショウの花粉の写真を見せていただきました。
私がひじかわ野草企画をやろうと思ったきっかけの一つに、私も参加者さんから学ばせていただけたらという思いがあったのですが、主催者の私がこんなにも勉強させていただいていいのかと思うくらいいろいろなことを知れた観察会になりました。
なかでも「地学と植物は一緒に勉強すべき。地質によって生育する植物が全然違ってくる」という言葉がとても印象に残りました。これまで全くといっていいほど勉強してこなかった地学をちゃんと勉強しようと決めました。
自分で思っていた以上に楽しい観察会になりました。秋にも観察会を予定しているので、ご興味ある方はぜひお気軽にご参加いただけたらと思います。
