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イベントレポート「秋の木の実と野草観察会」

こんにちは。

10月25日、久々のひじかわ野草企画「秋の木の実と野草観察会」を開催しました。


場所は道の駅 清流の里ひじかわの遊歩道とその先の河原です。

今回は参加者さんの赤ちゃんを含めて10名もの方にご参加いただきました。


まずは河原へ出て、森を遠くから観察し、次にスケッチをして気づいたことをみんなで話し合いました。「描こうとするとやっぱりちゃんと見るね」と言っていただけて、なんとなく眺めているのと絵に描いてみるのとでは景色の見え方が変わることを体験していただけたと思います。


はじめましての方たちといきなりスケッチをして、しかもそれを見せ合うというのはなかなかハードルの高いことだったと思います。私も不慣れで説明がうまくいかなかったところもありましたが、みなさん活発に意見を出し合ってくださいました。




スケッチ後は、参加者さんの赤ちゃんが石好きということでしばらく河原の石で遊びました。参加者さんの中に岩石学専門の方がいらっしゃり、この河原にあるだけでもいろいろな種類の石があるのだと教えていただきました。中には大谷から流れてきた石もあるそうです。当たり前ですが、石にもいろいろな種類があって、名前があるんだなと感じました。


森の近くでは森の縁の構造について解説しました。森の周りには草が茂り(ソデ群落)、森の始まる場所はつる植物や低木に覆われて壁のようになっています(マント群落)。これらの森の縁の植物たちが林内環境の急激な変化を防いでいること、見た目がよくないからと取り除くと林内が乾燥して森林を破壊してしまうことがあるというお話をしました。




森のつくりを見た後は、周りを一周しながらこの森にどんな植物が生育しているのかを見ていきました。観察した植物の一部を列挙してみます。


ノブドウ(食べられないけど実の色がカラフルできれい)

エビヅル(食べられるけどおいしいわけではない)

ナワシログミ(エビヅルよりおいしく、この辺りではシャシャブなどと呼ばれる)

エゴマ(畑から野に逸出した野菜で、シソの仲間)

センニンソウ(汁に触れるとかぶれる)

ムクノキ(葉がサンドペーパー代わりになる)

アオツヅラフジ(リースの材料に使える)

ヤブツバキ(種子から油を搾る)

イヌビワ(イヌビワコバチと共生)

ヤブニッケイ(シナモンやローリエの仲間)

オニグルミ(実や種子の殻が染料になる)

エノキ(ムクノキの仲間で果実が食べられる)




私からもいろいろと解説させていただきましたが、参加者さんからもさまざまな意見が出てとても楽しかったです。イヌビワコバチのオスが一生をイヌビワの実の中で過ごすという説明の後に、「おうちにずっと居られて、そこにはご飯もあってメスにも出会えるんだからある意味いい生涯だよね」という意見が出たことがとても印象的でした。


また、下見の際においしいけど表現が難しいと感じたエノキの味について、「きな粉っぽい」という意見が出て、個人的に一番しっくりくる表現だと感じました。これからエノキの実の味について話すときは「きな粉みたいな味がします」と言おうと思います。


毎日通る道に一つ名前を知っている植物が生えているのを見つけると、いつもの道がそれまでとは違って見えます。今回の観察会で見た植物を一つだけでも覚えて帰っていただけていたら嬉しいです。

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