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自然観察指導員講習会を受けた時のこと

更新日:2023年7月20日

こんにちは。

肱川ではもうヒグラシが鳴いています。季語にもなっている通り秋のイメージが強いですが、実は梅雨が明けないうちから出現するセミだそうですね。



今回は肱川のことから離れて、自然観察指導員講習会を受けた時のことを書いていきます。講習会を受けてみようか悩んでいる人の参考になればいいなと思いつつ、楽しかったからみんな聞いて!というのが本心です。笑



5月の野草観察会では目立つように指導員の腕章を巻いていました。



まず自然観察指導員について、講習会を開催している日本自然保護協会のサイトから引用します。


”自然観察指導員とは、「自然観察からはじまる自然保護」を合言葉に、地域に根ざした自然観察会を開き、自然を守るための仲間をつくるボランティアリーダーです。” ”自然観察指導員講習会を受講・修了し、登録申請すると自然観察指導員に登録できます。” 引用元:自然観察指導員とは - 日本自然保護協会オフィシャルサイト

自然観察指導員は資格ではなく、自然保護のボランティアリーダーとして活動していく意志を登録する制度です。また、自然観察をレクリエーションというよりも自然保護の入り口としてとらえている、という点も大きな特徴だと思います。



中央当たりの黒い星型のものはツチグリというキノコです。

実習の時に見つけました。この写真では外皮だけになっています。



そんな自然観察指導員を養成する講習会、とーーっても楽しかったです。

集まる人が自然好きな人ばかりなので、本当に居心地のいい空間でした。実習中にスダジイの木の下で椎の実を拾って食べていたのですが、周りの人たちも同じことをしていました。



私が講習会を受けたのは昨年の11月、場所は宮崎県綾町の照葉樹林文化館でした。講習会は基本的に土・日曜日の2日間にわたって行われ、会場によっては宿泊する場合もあります。参加費は会場や年齢などによって変わりますが、大体2万から3万5千円ほどです。


講習では自然の見方や仕組み、自然保護の種類や日本における現状、指導員の心得や観察会の作り方などを学びます。座学よりも外での実習の時間の方が多く、最後には講習受講者やスタッフさんを相手に自分で企画する5分間のミニ観察会をおこないます。自然観察指導員の第一歩を踏み出す観察会です。




ここからは私の講習会の思い出話を。


私は自然観察指導員のことを大学生の時から知っていましたが、講習会への参加のネックになっていたのがミニ観察会でした。今回講習会に申し込んだときも私にちゃんとできるのだろうか、と不安でした。



まず観察会のテーマや観察材料をなかなか決められずとても焦りました。時間がどんどん過ぎる中どうしようと下を向いて歩いていたとき、ほとんど朽ちかけた切り株と、もう一つまだ樹木らしさが残る切り株を発見。前日にも同じ場所を通ったのに、そのときは切り株があることに全く気付きませんでした。これは比較してみたら面白いのではとひらめき、二つの切り株から木が土に還る過程を観察することにしました。



まだ木らしいほうの切り株。


こちらはほとんど土に還った切り株。

表面以外はほぼおがくずです。



これで一安心と思ったら、今度は観察会の流れを作るのに苦労しました。やることは決まっても、導入をどうするか、そしてどう締めるのか…


メモ帳を前に頭を抱えていると、スタッフさんが「大丈夫?」と声をかけてくださいました。まず導入に悩んでいることを話すと、「私だったら、最初は観察場所を広く見て、少しずつ目的のものに焦点を合わせるように作るよ」とヒントをいただきました。このときのヒントは今でもよく思い出して参考にしています。



いただいたヒントをもとになんとか観察会の流れができたのですが、次はどんなふうに話して進めればよいかいまひとつピンと来ません。このまま部屋の中にいても何も変わらない、外に出よう!と思い観察場所へ出ることにしました。


二つの切り株を見ながら話すことを考えていると、また別のスタッフさんが声をかけてくださいました。「1回リハーサルをしてみるといいかも!」ということで、スタッフさんが参加者さん役で観察会のリハーサルをしてみました。やってみて感じたのですが、流れがつかみきれてなくてもとにかく口を動かすって大事ですね。リハーサルのおかげで話すことや流れが明確になり、少し自信がついた状態で観察会本番を迎えられました。



ミニ観察会をおこなった場所。

この小さなスペースに8人がぎゅっと入って観察会をしました。



ミニ観察会ではかなりドキドキしながらも、一度リハーサルをしたことで落ち着いて話すことができました。また、参加者役のみなさんはどんどん発見したことや思ったことを発言してくださり、さすがこの講習の受講者さんたちだと思いました。


観察会は実施することでいっぱいいっぱいなところもありましたが、ほかの人の観察会の参加者役をすることはとても勉強になりました。自然と一体化してみる、地形を見てみる、自然の色を発見するなど自分では思いつかないものばかりで、こういった形の自然観察もあるのか、と目から鱗でした。



そんなこんなで、受講前は少し不安もありましたが無事に講習会を終え、晴れて自然観察指導員になりました。こうして書いていると、当時感じていた以上にスタッフの方には助けていただいたのだなと思い、あらためて感謝の気持ちがわいてきました。


自然に興味があって、人に自然の面白さや魅力を伝えたいと思う人にはとてもおすすめな講習会です。このブログを見てくださった方の中から指導員の仲間が誕生したら嬉しいです。



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