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肱川の身近な薬草たち

こんにちは。お久しぶりです。

6月のイベントが終わってから、野草の提供を呼びかけるポスターを作り町内で掲示させていただいています。肱川町内の方で野草を取らせてくださる方がいらっしゃったら岡本までご連絡いただけると幸いです。



先月ドクダミチンキを仕込むイベントを開催したところ、「面白そう!」「私も参加したかった!」という声をたくさんいただき、身近な薬草とその活用法に興味がある方は思っているよりも多いのかなと感じました。


そこで、今回は肱川町内で身近にみられる薬草について書いていこうと思います。


注意:薬草・野草は科学的に効能が認められた医薬品・医薬部外品とは異なります。使用する場合は詳しい人に教わったり、よく調べて自己責任で行うようにお願いします。



まずはドクダミです。湿った場所を好みますが、意外と日の当たるところにも生えています。肱川では花の時期はほとんど終わってしまいました。


ドクダミの一番の特徴といえば「匂い」ではないでしょうか。葉を見ただけではドクダミとわからなくても、匂いを嗅げば一発でわかる独特の匂いがあります。この匂いはデカノイルアセトアルデヒドとラウリルアルデヒドという成分によるもので、抗菌作用があるといわれています。


生葉や乾燥葉をチンキにしたり、乾燥させた全草をドクダミ茶として飲用したりします。チンキは虫よけや虫刺され薬として使ったり、精製水で薄めて化粧水として使用することもできます。化粧水はチンキにする部位によって効能が変わり、花であれば美白効果、葉だと抗菌作用があり肌荒れ改善が期待できます。また、ドクダミ茶はニキビや便秘の改善に効果があるとされます。


先月のイベントのためにドクダミを収穫しているとき、大量の蚊にたかられていたのですがほとんど刺されませんでした。ドクダミの虫よけ効果を実感した出来事でした。



ヨモギの仲間は世界で500種類ほどあり、日本には約30種類が自生しています。単にヨモギといった場合はカズザキヨモギを指します。


草餅の材料に使われたり、葉裏の毛をお灸に使うもぐさにしたり、お茶や浴剤にするなど様々な使われ方をする身近な植物です。最近はヨモギ蒸しも流行っていますね。生理痛や生理不順などの女性の体調不良や、冷えや腰痛、湿疹・ニキビといった肌荒れなどに効果があるとされています。


ヨモギに多くの種類があると知ってから、身近に見かけるヨモギの正式名称は何だろうとヨモギとにらめっこしています。ですが全然わかりません。ヨモギは鑑別が難しいために研究が進んでいなかったというのも納得です。花の時期になれば多少わかりやすくなるので、それまで待つしかないようです。


カズザキヨモギ以外にもニシヨモギやカワラヨモギなども町内に生育していそうなので、探したいなと思っています。



ビワは果実を食べるイメージが強いと思いますが、民間療法では葉を使うことが多いように思います。腰痛のときに葉を貼り付けたり、チンキにして肌荒れに外用したりします。


ビワは中国原産で、暖地に生育する常緑小高木です。愛知にいたときは野生化したビワを見たことがなかったので(沿岸部に行けばあるようです)、こちらに来てところどころに大きなビワの木があるのを見て感動したのを覚えています。


地元の方は子どものころに実を食べたりしていたそうです。しかし、大洲の方から聞いたお話ではビワを食べたことが原因で子どもが亡くなったこともあったそうで、その方の家庭では野のものを絶対に食べてはいけないというルールがあったと聞きました。


ビワに含まれるアミグダリンという成分が体内で分解されたときに毒性の高いシアン化水素を発生させ、多量に摂取した場合は死亡することもあります。熟した実や適切に加工されたものを通常量食べる分には心配ないようですが、種子や未熟な果実にはアミグダリンが多く含まれるため注意が必要です。



ユキノシタも肱川へ来て初めて見ました。湿り気のある場所に張り付くようにして広がるユキノシタは、肱川町内を歩いているとよく目につきます。生葉を絞った汁が中耳炎によいとされ、耳垂草(ミミダレグサ)、耳草(ミングサ)と呼ぶ地域もあったそうです。ちなみに愛媛では「ユキヤケグスリ」と呼ばれていたようです。肱川でそう呼んでいるのを聞いたことはありませんが…


肱川では薬草というより山菜てんぷらとして食べることができる、と認識されているように感じますが、実際にはあまり食べられないようです。私もてんぷらにしたユキノシタはまだ食べたことがありません。どこか山菜てんぷらを出すお店で食べられないかなーと思い続けています。


調べていると、身近な野草で食べられるものの多くは薬草としても使われてきたものだとわかります。よく見る野草が健康に役立つというのはとても魅力的ですが、使い方や量、体質によっては危険なこともあり、安易に生活に取り入れられるものではないというのが私の考えです。薬草を生活に取り入れる場合は、主治医や詳しい人に相談したり、自分でもよく調べ、本当に自分に必要なものかしっかり考えることが非常に重要です。


私は物心ついたころから植物が好きでしたが、野草を食べたり生活に役立てる知恵については協力隊になってから初めて勉強しました。いつかはその土地土地に生育する植物の役立て方を伝えられる人になれたらと思いますが、まだまだ難しいです。まずはこれなら大丈夫だと思える薬草を少しずつ使いながら、自分に合った薬草や使い方を見つけていけたらと考えています。

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